フリー素材の「フリー」って何?

最近、お客さまからデザインのことだけでなく、権利や版権なども関係するご相談が増えて、毎回わたわたしてしまう井嶋です。

その都度調べたり、勉強し直したりしているのですが、中には自分の知識が古いものもあったりするので、再確認って必要だなと痛感しています。

前回は「明日使いたくなるパッケージデザインのルール」と題して、パッケージにまつわるルールをご紹介しました。
意外とご覧いただいている方が多かったので、皆さまの役に立てたのかなと嬉しくなりました。

今回も少しだけですが、知っていて損はない「フリー素材」についてお話ししたいと思います。

まず、写真や画像も「著作物」です。
著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と著作権法2条1項1号で定義されています。
写真や画像はそれに該当するのか?と思われるかもしれませんが、著作権法10条1項の著作物の例に中に「八 写真の著作物」と記載があります。

なので、SNSやweb上の他の人がアップした画像を無断で転載することは違法行為にあたります。
文化庁サイトで「著作権」を漫画やクイズで楽しく学べるように紹介してありますので、お時間があればご覧ください。

最近は簡単にデザインや動画を作れるようなツールも多く、「フリー素材」を使用している人も増えたのではないでしょうか?
フリー素材の代表格といえば、みふねたかしさんの「いらすとや」
誰でも1日1度は見ると言っても過言ではない程、テレビやパンフレット等で使用されていますね。
そんな私も「いらすとや」さんの画像を使用させていただいております!
(いつもありがとうございます!)

実は「フリー素材」=「無料で自由に何でも利用できる」と思われがちですが、著作権が放棄されているとは限らないんです。
いらすとやさんも「ご利用について」内で著作権を放棄していない旨を記載されております。

「じゃあ、フリーってなんなの?」って思った方。
実は3つの「フリー」があり、それぞれに意味や違いがあります。

①著作権フリー
著作権が放棄されている、または消滅しているもののことを言います。著作権を気にせず、使用料もかからないことが多いです。

②ロイヤリティフリー
著作権を残したまま、使用許諾範囲内であれば知的所有権に関する追加使用料がかからないもののことを言います。
購入した方は使用許諾範囲内であれば自由に使えますが、写真を他人に貸したり売却や譲渡することはできません。

③無料素材
無料で使える素材もののことを言います。
フリー素材サイトごとに定義や使用ルールが異なる場合が多く見られるので、注意が必要です。
費用は無料でも著作権表示が必須だったり、商用利用の場合は使用料がかかることもあるなど、利用するサイトの「利用規約」は必ず確認しましょう。

ここで、1つ問題です。
素材サイトで下記のような透かしが入ったサンプル画像を目にすることがあると思います。
そのようなサンプル画像は使っていいでしょうか?

答えは、テスト用やサンプルレイアウト用には使用できますが、完成品や公表物には使用できないんです。
サイトによっては使用期限が決まっているものもあるので、要注意です。

大事なので2度言います。
要注意です!

こういったルールを知ることで、明日から正しく利用できる人が増えると嬉しいです。

では、また次回お会いしましょう。