「一歩千金」

今、プロ将棋界は空前のブームに沸いています。

あの中学生棋士、藤井聡太四段の活躍は皆さんご承知のとおりだと思います。デビュー戦からいきなり公式戦29連勝という新記録の偉業を成し遂げたり、A級棋士に勝利したり、実力もさることながらその人気もとどまるところを知りません。プロ棋士になりたての四段でグッズを発売するのは異例だそうですが、藤井四段のサイン入りの扇子やクリアファイルが発売開始から瞬く間に完売という現象なども起きています。

実は私は大の将棋ファンで、プロ棋士のサイン入りの扇子を二本持っています。
その一本が今から約14年前に、熊本市内の日航ホテルで行われた棋王戦を観戦したときに、次の一手クイズに正解し、抽選でもらった羽生棋聖(現在)のサイン入りの扇子です。

扇子2

その扇子には「一歩千金」と書いてあります。

歩はひとつづつしか前に進めません。(3歩進んで2歩下がるなんて出来ません)飛車や角の大駒に比べて割りと軽んじられがちな駒です。 ところがそんな駒ですが、合い駒に使ったり、相手の駒を追い払ったり、拠点に使ったりなど要所、要所で重要な働きをするのもこの歩です。

そして駒をすすめて敵陣に入ると駒を裏返して「と金」とすることができます。文字通り大出世して「金」の働きをするわけです。この「と金」を自陣に作られたら非常に厄介です。取ると陣型がくずれ、放っておくと致命傷になることもあります。プロの将棋を見ていると歩の使い方が上手いなあと思う局面がよくあります。

「歩のない将棋は負け将棋」
「二枚替えは歩とでもせよ」など歩にまつわる格言も多いです。

そのような歩の働きを総称して、一歩がまさに千個の金に値するとこの言葉は言っているのではないでしょうか。
とてもいい言葉だと思います。私自身、座右の銘にしたいぐらいです。

この扇子には秘密がもうひとつ、扇ぐと「お香」のような匂いがほのかにします。
この香りをお届けできないのはとても残念です。

皆さんも熊本で将棋のタイトル戦などがあった時には会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?
いいことがあるかもしれません。

総務 吉元がお届けしました。